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501の変遷

1937年モデル
初期のリーバイスジーンズからあったバックポケットに表側から打たれていた剥き出しのリベットは、時代にそぐわなくなり改革が行われました。
リーバイスはリベットの上に生地がかぶさるように打ち付けて隠してしまう画期的な製法を考案し、1937年にはその特許を取得しました。
バックストラップやクロッチ(股下)リベットが装備されています。アーキュエイトステッチは一本針ミシンによる中央がクロスしないオールド仕様です。 
片面のみビッグEが刺繍されたレッドタブが付けられています。(1936年から採用されたレッドタブは1950年代半ばまで片面にビッグEが刺繍されていました)


1944年モデル

第二次世界大戦時、アメリカ国内では戦況が激化するにつれて物資統制が強化され、リーバイスも影響を受けて、501から金属部品や縫製糸の省略がなされました。
社名入りのボタンに代わり、廉価な月桂樹柄の肉抜きされたドーナッツボタンが使用され、クロッチ(股下)リベットや、ウォッチポケットのリベット、バックストラップ等の金属部品を省略。
ポケットの袋地にはヘリボーンやネル等の安価な生地を使用する等、仕様変更は細部に至るまで行われました。
更に縫製糸の節約の為、リーバイスのジーンズを象徴するアーキュエイトステッチまでもが省略を迫られましたが、ブランドアイデンティティーを守ろうとしたリーバイスは苦肉の策として、ペンキによる手書きのアーキュエイトステッチを描きました。

レザーパッチは省略こそされませんでしたが、品番表記に簡略化Simplified)を意味するSの頭文字を加えた”S501XX”と刻印され、フラッシャーには”FOR THE DURATION”(戦争終結まで)の文字を記入し、従来の501XXと区別される事となります。


1947年モデル
第二次世界大戦の終結によって厳しい物資統制が解かれ、501もようやく本来の姿を取り戻します。 
最大の特徴はリーバイスの象徴であるアーキュエットステッチの復活です。それも当時の新手法である2本針ミシンを使った『ダイヤモンドポイント』と呼ばれる新しい仕様で、このモデルに初めて装備されました。 
同時に本革製のレザーパッチは、第二次世界大戦に使われていた"S501XX"から"S"(Simplified:簡略化)の文字が外され、ボタンも月桂樹柄のオープントップ型からリーバイスのフルオリジナルである社名入り刻印のものに戻り、ウォッチポケットのリベットも返り咲きました。 
逆にバックストラップやクロッチリベット(股下)は、この時代にはもう必要とされなくなったため省略されたままになりました。


1955年モデル
1950年代は、アメリカに平和が戻り、活気にあふれていた時代です。 リーバイスは、後世に残る製品を生み出すこととなり、501はリーバイスを代表するジーンズとして完成の域に到達します。そして現在では、ヴィンテージという視点でもジーンズマニアを始め、多くの人々から高く評価される名品となりました。 

”バナナイエロー”と呼ばれる黄色の糸を使った『ダイヤモンドポイント』入りのアーキュエイトステッチや片面から両面刺繍に変わったレッドタブ、『Every Garment Guaranteed(すべての商品の品質を保証)』のコピーの入った初期型ペーパーパッチ、赤耳付きウォッチポケット。 
特にこのペーパーパッチへの変更は、乾燥機の普及によって、縮まらない仕様としたものです。 501が時代と共に歩み、進化してきた事を証明するディティールです。

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| リーバイスのジーンズ

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